腎不全に処方されるACE阻害剤フォルテコール



腎不全に処方されるアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤を約1年間飲み続けてきました.みゅーちゃんは多発製嚢胞腎ですが,症状と対処は慢性腎不全の猫と同じらしいです.人間の腎不全も同じで,基本的には腎臓細胞は戻らないので, 対症療法しかないとのこと.このため,少しでも進行を遅らせるために,低タンパクでミネラル類の濃度が抑えられた療法食を食べたりする必要があそうです.みゅーちゃんは,最初の診断でステージ2と3の間と言われ,療法食とACE阻害剤なるお薬を飲むことになりました.


療法食については,過去にも書いた通りいろいろ試して,結果,Hillsのk/dシチュー缶に落ち着きました.

過去に書いてなかったACE阻害剤であるノバルティスのフォルテコールについて.先日,人間用の記事でも「ACE阻害剤は進行した腎不全患者の腎臓保護にも有効、中国の研究」と日経メディカルにもありましたが,人間でも同様の薬が処方されるようです.うちは獣医さんから,血管を広げ,血圧を下げ,腎臓への負担を軽減するという説明を受けました.実際,以下のような説明のサイトがありました.

フォルテコールの主成分で ある塩酸ベナゼプリルは、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬に分類され、血管収縮・心筋肥大・腎臓において、水分や塩分の貯留などを促進するアン ジオテンシンIIという物質の産生を阻害する作用をもちます。血中のアンジオテンシンIIが減少すると、血管収縮、心筋収縮力増強、腎臓糸球体内圧上昇な どによる心臓や腎臓への負担が軽減され、僧帽弁閉鎖不全症、慢性腎不全、心筋肥大症の治療薬として使用されています。フォルテコール犬猫兼用(Fortekor)2.5mg【1箱28錠】 http://usapara.org/product/UP03685
 ノバルティスが公開している添付文書には,2.5 kg以上 5.0 kg未満は1錠とありますが,3.05 kgのみゅーちゃんは,最初に獣医さんに行ったときの体重が2.5 kgだったことからか,1/2を毎日飲んでいます.効果は24時間とのことで,1日1回を毎日です.食前とか食後の指定はなかったので,寝る前にあげています.

 

さて,あげ方ですが,始めの頃は水に溶かして飲まそうとしたり,そのままゴックンさせたり,療法食じゃない美味しいウェットご飯でお団子を作ったり,いろいろ試しましたが,どれもみゅーちゃんが嫌がったり人間が手間取ったりうまいこと避けられたりした結果,以下の方法に落ち着きました.秘密兵器はこれ.

健康缶 シニア猫用 健康缶パウチシリーズ!



まずこちらがフォルテコール.中の錠剤は二つに割れるようになっています.水分を吸収しやすいので,濡れた手で触らないこと.

うちは1/2錠なので,ぱかっと半分に割って,お皿にぽん.

ほんの少量のお水を加えて15秒もするとお水がお薬に染み込んでいきます.

だいたい染み込んだらスプーンの背中でゴリゴリ潰して満遍なくします.水を入れずに砕くだけでもいいのですが,それだと欠片が飛んでいったりしちゃうんだなー.

そしてここに例の健康缶をスプーン半分ちょっとくらいの量を追加.

よーくまぜまぜします.一袋で4,5日もちます.内容量が40gなので,だいたい10gずつ程度使ってるのかなぁ.

この健康缶,何が良いって嗜好性が高くて美味しいみたいでよくぺろぺろしてくれます.しかも一応リンやナトリウム,粗タンパクなんかのスペックも他の療法食と変わりません.療法食との違いは,療法食は総合栄養食なのに対して,こちらは一般食,すなわちオヤツであることです.

さて,あとはみゅーちゃんにあげるだけです.最後の方に残ったやつは指ですくって指を舐めてもらってます.

獣医さんからは,お薬飲ませる工夫は飼い主さんにお任せするけれど,こういうオヤツ類でしかも高齢猫用を謳ってるものはカロリーが高いものが多いので,あげすぎには気をつけてくださいねと言われています.

同じような症状だと,どこの家でもお薬あげるのにいろんな工夫をされていると思われます.猫によっても違うだろうけれど,何かの参考になればと記録.これでうちは1年目を乗り切りるところです.ちょっとリンの数値が上がってきていますが,BUN,CREは安定しています.

次はこれ以上リンが上がってきたら,吸着剤のステップでしょうか.それがずっとずっと先になることを祈っています.





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